
突然ですが、あなたは世界についてどれほど理解していますか?
世界人口は増え続けると思っていませんか? アフリカの子どもたちは貧困で学校に通えてないと思っていませんか? 発展途上国と先進国があると思っていませんか?
断言します。この本を読んで、あなたの世界に対する価値観・データの見方は、180度変わります。
なんと今まで、メディアや教育のミスリード、軽い思い込みで生きてきたことか。
あのビル・ゲイツに「自分がこれまでに読んだ中で最も重要な1冊」と言わしめ、2018年の大学卒業生に無料配布させたほどの世界的大ベストセラー「FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」
そこには、冒頭に簡単な3択クイズが載っています。
あなたは、そのクイズで、チンパンジーの正答率33%(ランダム)に勝てますか?!
早速、クイズに挑戦してみましょう!
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クイズはいかがでしたでしょうか。惜しくもチンパンジーに負けてしまいましたか?
著者が14ヵ国、1万2千人に調査したところ、なんと8割の人がチンパンジーに負けたのです。
しかも、最高点が13問中11問正解で、一番割合が高いのは、驚くことに1問正解。(ただしこのサイトでの集計結果は、本を読んでいる方も多いからか、平均はおよそ6.5点と高得点です!)
これは、ノーベル受賞者であろうと、教育者であろうと、投資家であろうと、みんなと同じように間違えます。
学校で教えている先生も知らない、お金をかけるために世界を最もよく知っておかないといけない投資家ですら知らない。
でも、なんでこんなにも間違えてしまうのでしょうか。
10の本能

クイズを間違えてしまうのは、人間に備わる10の本能が原因であると著者は言います。
その本能とは何なのかを知れば、日頃のニュースの聞き方から、世界に対する見方まで大きく変わります。
10の本能について、本をもとにご紹介したいと思います。
この本能、聞けば、あ~確かに…!と思うことまちがいなしです。
最初の3つの本能は、“The Mega Misconception”と呼ばれ、人間の目を曇らせる主要な本能と言われています。
➀分断本能「世界は分断されている?」

まず、一つ目の本能が「分断本能」。
人間は、2つに分けて考えようとしてしまう本能があるのです。
「善」や「悪」、「金持ち」や「貧乏」、そしてその最たるものが「先進国」と「途上国」。
人間はどうしても2つに分けて、わかりやすく考えようとしてしまうみたいです。
さて、今や、いわゆる発展途上国がほぼ無いことをご存じですか?
「えっ?! アフリカとかって発展途上国じゃないの…?」そう思われた方多いと思います。
しかし、それは昔の話なんです。衝撃的!

こちらは、女性1人が生む赤ちゃんの数と子どもの致死率のグラフです。
発展途上国は生む赤ちゃんの数が多く、致死率も高い、逆に先進国は赤ちゃんの数が少なく、致死率も低いですよね。
1965年では発展途上国と先進国にはっきり二分できたのが、2018年ではその境目が消えていることが分かります。
こちらも似たような図で、女性1人が生む赤ちゃんの数と5歳まで生きられる確率のグラフです。
左の1965年でははっきりと二分されていますが、右の2017年ではその境目が消えていることが分かります。

そこで、「発展途上国」と「先進国」で分けるのではなく、その代わり筆者は所得ごとに4つにグループ分けすることを提案しています。
この”Dollar Street”というサイト、見てみると非常に面白いです。
世界の家がすべて一本の道路沿いにあるとし、左から右にむかってお金持ちの家になっていきます。
すると、世界は、国も宗教も関係なく、所得によって生活水準が決まることが分かります。つまり、所得によって世界を大別することは正しいと考えられます。
クイズの中で分断本能に関するのはQ1とQ2。

Q1に関しては、正答率が7%というのが驚きです。
②ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている?」

2つ目の本能は、「ネガティブ本能」。
人間は、ポジティブな面よりネガティブな面ばかりに注目してしまうという本能。
アフリカの子どもたちが貧困にあえでいる、氷河は解け海水面は上昇し続けている、テロ攻撃は増えている、そして「世界はどんどん悪くなっている」そんな錯覚にとらわれていませんか?
良いこと、改善されていることもいっぱいあるのに、人間は悪くなっていることにどうしても注目してしまうようです。
この本能を利用して、拍車をかけるのがメディア。
テレビなどは、悲惨なこと、深刻な問題を報道しがちですよね。
「今年一年間で、40億人の利用客が空の旅を安全に楽しみました」なんてニュースになるはずはなく、「今年一年間で、15回もの航空機事故が起こり、556人が死亡しました」の方が圧倒的にニュースになりますよね?
しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、「悪いこと=点」「良くなっている=線」であり、ふたつは両立できること。
「良くなっている」という線上に「悪いこと」という点がポツポツとのっているだけで、「悪くなっている」という線ではないのです。

チュニジアという国名を聞いて何を思い浮かべますか?
「詳しくは知らないけど、なんか貧しそうなイメージ…」という方多いかと思います。
しかし、アフリカ北部にあるチュニジアの平均寿命はこの60年で30年も伸び、今や平均寿命が76歳なのです!
しかも所得水準も5倍になり、中国にほぼ追いついていることがわかります。
メディアが「アフリカ=貧困」というイメージを植え付け、いかにネガティブ本能に働きかけているかがお分かりでしょうか。
世界は確実に良くなっているのです。

世界はこんなにも「悪いこと」が減り、「良いこと」増えているのです。
クイズの中でネガティブ本能に関するのはQ3とQ4。

③直線本能 「世界の人口はひたすら増え続ける?」

3つ目の本能は、「直線本能」。
人間はグラフを見ると、そのまま真っすぐ伸びるだろうと思い込んでしまう本能。
最近、コンピュータの進化が目覚ましいと感じたことはありませんか?
コンピュータ性能の進化のものさしとして、人間とコンピュータのボードゲームでの対戦があります。
2000年代は人間が将棋でコンピュータに勝っており、向こう20、30年はコンピュータが将棋のプロ棋士を負かすことはないだろうと言われていたさなか、それから数年で現役プロ棋士を負かしました。
将棋よりさらに複雑な囲碁がプロ棋士を負かすことは、さすがにさらに遠い話だろうと言われていたのに、将棋のプロ棋士を破ってからわずか4年で囲碁の人類最強棋士を破りました。
なぜ、人間は何度もまちがった予測をしてしまうのか。
それは、コンピュータ性能の進化が二次関数のような急上昇しているのにも関わらず、今までと同じペースで直線的に上昇すると本能的に考えてしまうためです。
これは、世界人口にも当てはまります。
「世界の総人口はこのまま増え続け、いつかあふれ出ちゃうくらい増える」とどこか思っていませんか?

ちょうどこんな感じに。

でも、実際の予測は違います。およそ11億人から12億人で落ち着くと考えられています。
なぜ、世界人口は増え続けないのでしょうか?
それは、「所得レベルが上がると出生率が下がる」と「世界はどんどん良くなっている」を考えればわかります。
アフリカなど、私たちが思っていた発展途上国は子どもを多く生むイメージありませんか?
かつての貧しい中国は、人口を抑えるために「ひとりっ子政策」をしていたくらいですよね。
いわゆる発展途上国で出生率が高い理由は主に3つあります。
子どもの間に死んでしまう率が高いからその分多めに生む、働き手が欲しいから多く生む、そして避妊具の普及や避妊の教育が行き届いていないため。
かつての日本もそうではなかったでしょうか?
おじいちゃんの世代は6人兄弟とか普通だったりしませんか? 今は3人兄弟でも多いくらいの印象ですよね。
つまり、国が豊かになるほど出生率は下がり、前述したように「世界はどんどん良くなっている」ので、子どもの人口が向こう100年で伸びなくなり、世界人口は落ち着くのです。
現在からさらに世界人口が40、50憶人増えるのは、今の子ども世代が大人になり、大人世代の人口が増えるためと、世界的に平均寿命が伸び、致死率が下がるためです。
クイズの中で直線本能に関するのは、Q5とQ6。
以上が代表的な3つの本能です。
あと7つの本能を軽くご紹介したいと思います。
④恐怖本能 「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう?」

⑤過大視本能 「目の前の数字が一番重要だ?」

⑥パターン化本能 「ひとつの例がすべてに当てはまる?」

⑦宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている?」

⑧単純化本能 「世界は一つの切り口から理解できる?」

⑨犯人探し本能 「誰かを攻めれば物事は解決する?」

⑩焦り本能 「今すぐ手を打たないと大変なことになる?」

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