『Think Smart』を読まずして分かる 7つの賢く生きる思考法

Think Smart の表紙画像

『Think Smart』は『Think clearly』の続編ですが、その内容はまったく異なり、52の人生で陥りがちな思考や行動の誤りがまとめてあります。

その中で、私たちが特にまちがえそうな、有用な心理トリックを7つにまとめ、簡潔に要約しました。

それらの思考法は、あなたも知らないうちに引っかているはずです。

そのような心理トリックかを知り、意識することで、人生を賢く生きることができるでしょう。

『Think Smart』ってどんな本?

『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』

私たちの成功や幸せを台なしにするのは何か? 人生で減らすべき「間違い」とは何か?

認知心理学や社会心理学をはじめとした過去30年間の学術研究にもとづき、スイスのベストセラー作家が「思考の誤り」についてまとめた逆説的幸福論です。

「令和元年に売れたビジネス書ランキング(honto調べ)」第1位に輝いた『Think clearly』著者による、待望の最新刊です。

前作『Think clearly』は思考をクリアにするための様々な線引きを教えてくれたのに対し、本作『Think Smart』は日常に潜んでいる様々な心理的な勘違いを示し、それに引っかからないようにどうすればいいかを教えてくれます。


①カチッサー効果

もしあなたがコピー機に並んでいるとき、突然後ろの人から「すみません。5枚だけ先にコピーをとらせてもらえませんか?」と言われたら、「いや、私も並んでいるし列に並んでください」と思いませんか?

では、これではどうでしょう。「すみません。5枚だけ先にコピーをとらせてもらえませんか?急いでいるものなので

「急いでいるのなら、どうぞ」と多くの人はなるのではないでようか。

このように、「理由」がひとつあるだけで私たちの気持ちは落ち着くのです。この心理現象をカチッサー効果と呼びます。

さらに面白いことは、「すみません。5枚だけ先にコピーをとらせてもらえませんか?何枚かコピーをとりたいもので」とまったく理由になっていないことを言ったのにも関わらず、実験では全員が順番をゆずったそうです。

その列に並んでいる人は誰でもコピーをとろうといているのは当たり前だというのに。

つまり、行動に「理由を添える」だけで、その行動は周りからの理解と譲歩を得やすくなり、その理由が意味をなしているかどうかは重要ではない、ということです。

高速道路でなんの断りもないのに舗装工事のために渋滞していたら苛立ちますが、「ご迷惑をおかけします。道路工事をしています」という曖昧きわまりない理由で人は落ち着くことができるのです。

②決断疲れ

重要なプレゼンは、午前8時、午前11時、午後6時のどれが最適だと思いますか?

その答えは、裁判に関する驚くべき研究結果を見れば自ずとわかるでしょう。

イスラエルの刑務所に拘留中の、それも刑の重さが比較的軽い受刑者4人が裁判所に仮釈放を申請しました。

すると、4人とも罪の重さは同じであるのにも関わらず、審問開始時刻が8時50分と13時27分の受刑者は仮釈放が認められ、15時10分と16時35分の受刑者は仮釈放が却下されたのです。

つまり、午後になり判事たちの意志の力が不十分だったため、仮釈放のリスクをとることができず「現状維持」の決定を下してしまったのです。

他にも、数百件の判決を調査したところ、「大胆な判決の出る割合は、時間が早いうちは65%だが、時間の経過とともにゼロに近くなり、休憩をはさむと突然65%に戻った」という研究結果もあります。

なぜ時間によって判断が変わるのか、それは「決断疲れ」が原因です。

人間は思っているより決断に体力を使うため、一日の後ろになるほど「決断疲れ」をするのです。

③NIH症候群

あなたは、自分の作った料理の方が他人の料理より美味しく感じませんか?

ほとんどの人がそう思うでしょう。しかし、これは「NIH症候群」と呼ばれるものです。

「ここで発明されていない(Not Invented Here)」ものについては、なんでもネガティブに評価してしまう心理現象を指します。

他にも、企業では「外部から提案された解決策」よりも「社内のアイデア」のほうを重視し、高く評価してしまう傾向があります。

これが、外部の解決策の方が優秀だった場合、その企業はチャンスを逃すことになります。

NIH症候群を改善するには、どうすればいいのか。

それは、「2つのグループ」に分けるといいです。

片方のグループがアイデアを出し、もう片方のグループがそれを評価したあと、役割を交代して同じことを繰り返すのです。

そうすることで、客観的に見直すことができます。

④初頭効果と親近効果

「アランは知的で、勤勉で、衝動的で、批判的で、頑固で、嫉妬深い。一方、ベンは嫉妬深くて、頑固で、批判的で、衝動的で、勤勉で知的だ。」

あなたは、いっしょにエレベーターに閉じ込められるなら、どちらの方がいいでしょう?

多くの人はアランではないでしょうか。

ふたりの性格描写はまったく同じであるのにも関わらず、脳は「うしろのほうに並んだ形容詞」よりも「はじめのほうに並んだ形容詞」に重きを置く傾向があるためです。

つまり、アランは知的で勤勉、ベンは嫉妬深くて頑固という風に脳は記憶します。

これを「初頭効果」と呼びます。最初が肝心ということです。

しかし、時間が経つと「あとから入ってきた情報のほうが記憶に残りやすい」という逆方向の「親近効果」が現れます。

何週間か前に聞いたスピーチを思い返してみると、特に記憶に残っているのは、結論や話のオチの部分ではないでしょうか。

つまり、何においても、途中で受ける印象はあまり影響力ななく、最初の印象だけでものごとを判断するのは良くない、ということです。

⑤モチベーションのクラウディング・アウト

スイスで核廃棄物の最終処分場を建設するエリアを決めるとき、ある地域の人は50.8%が賛成しました。

それは「国家の威信を保つため」、「公正さの観点から」、「社会的な義務を果たすため」といった理由からです。

一方、同じ地域の人に「住民ひとりにつき、50万円の補償金を出す」という条件をつけると、なんと賛成の割合は24.6%と半分に減少しました。

お金で解決」しようとすると、逆効果になったのです。

お金はモチベーションにつながっておらず、逆に補償金のオファーは公共心や公益に資する気持ちを減らし、買収のように受け取られました。

この現象を「モチベーションのクラウディング・アウト」と呼ばれています。

つまり、金銭的な理由で行っているわけではないことに金銭を介在させると、進んでものごとを行おうとする意欲を減退させてしまうのです。

⑥瀉血効果

かつて、19世紀までは「体内の血液用が多すぎるために病になる」という「四体液説」が信じられていたため、病気になった人は傷口などにヒルをのせて、そのヒルたちが吸い込んだ血で破裂しそうになると、別の腹をすかせた別のヒルをあてがうという「瀉血」が本気で行われていました。

フランスでは1830年代だけでも4000万匹を超えるヒルが瀉血用に輸入されたほどです。

この四体液説は2000年以上にわたって医学界の主流でした。これほそ長い間支持された学説はほかにはまずないでしょう。

しかし、瀉血をしなくてお患者は回復したし、それは医者の目にも明らかだったはずなのに、なぜイカサマ「瀉血治療法」が2000年ものあいだ支持されてたのでしょうか。

それは、「その説がまちがっていると証明されただけでは、その説はけっして放棄されず、もっと優れた説が登場して初めて、誤った説が捨てられる」という瀉血効果によるものです。

少し信じられない効果かもしれませんが、瀉血効果は現在進行形で起こっています。

かのリーマンショック時のアメリカの中央銀行の議長アラン・グリーンスパンが、その後の公聴会で在職中に危機を未然に防げなかった原因として「通貨供給量を通して経済をコントロールするという理論」の誤りを指摘しましたが、それなのに現在でも世界各国の政府はその理論に固執しています。

ほかに選択肢がないという理由だけで、いまだにこの理論が使われている、典型的な「瀉血理論」です。

「瀉血効果」はあなた個人にも起こるので、あなたの投資戦略や人生哲学や周囲の人々に対する見解を、定期的にチェックすることが予防につながります。

⑦スリーパー効果

第二次世界大戦中、どの国でも戦争を肯定する「プロパガンダ映画」が製作されました。

そして「一般的な兵士の言動がプロパガンダ映画を観たあとにどう変化すうか」を調査しました。

しかし、結果は期待外れで、映画は兵士の戦意高揚には少しもつながっていなかったのです。

それは、兵士が「どうせ戦争の広告だろ」と意図を見透かして映画を観ていたからです。

つまり、映画が伝えようとしていたメッセージの信頼性が、上映される前にすでに損なわれていたのです。

ところが、二か月後、予想外のことが起こりました。

心理学者が戦争に対する兵士たちの考え方を再度調査したところ、二カ月前に映画を観ていた兵士は、観ていない兵士よりも戦争に対して高い共感を示していたのです。

つまり、プロパガンダ映画にはやはり効果があったのです。

一般的に、説得力は時間とともに薄れ効力をなくしていくはずなのに、なぜ二か月後に効果を発揮したのか、研究者を悩ませました。

この不可解な現象を「スリーパー効果」と名付けられています。

現在では、脳は「情報の入手先(プロパガンダ映画)」は比較的速く忘れてしまうが、「情報そのもの(戦争万歳)」はすぐには忘れない、という説が有力です。

つまり、人間は数週間たつと、その情報源があやしい広告だろうが文献から参考にしようが忘れ去り、その内容だけは頭に残るということです。

スーパーでおいしそうな食べ物を見て、なんかどっかで聞いたことあるこの商品、と思ってあまり他の商品と比べず買ってしまうのもスリーパー効果でしょう。

時には恐ろしいほど効力を発揮するスリーパー効果ですが、これを防ぐには、明らかにあやしい情報を避け、情報源を精査することが役立ちます。

誰が主張しているのか、なんのために主張しているのか?をそのときに考えることで、あとになって流されることを防げます。









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