『Think clearly』を読まずして分かる 人生をクリアにする5つの線引き

Think clearly の表紙画像

あなたは、人生で決断するときに、なにか「基準」を持っていますか?

最新の世界的ベストセラー『Think clearly』に、52の思考法がまとめてあります。

52の思考法を要約すると、あることに共通していました。

それは、どれも人生を生きるための「線引き」をする基準を教えていたのです。

その中で、厳選してまとめた5つの線引きについて、ご紹介したいと思います。

線引きをし、基準をもつことで、あなたは人生でたびたび訪れる決断に対し、クリアに答えをだせるでしょう。

『Think clearly』ってどんな本?

Think clearlyの表紙画像

『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』

著者 ロルフ・ドベリ(Rolf Dobelli)さんは、1966年スイス生まれの作家・実業家。

スイス航空会社の子会社数社で最高財務責任者、最高経営責任者を歴任後、ビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。

35歳から執筆活動をはじめ、『なぜ間違えたのか』、『賢く対処するためのコツ』がドイツなどで大ベストセラーとなり、『Think clearly』を含めたわずか3作で全世界250万部以上の売り上げを記録。

趣味は自家用ジェット機で空を飛ぶ、という“デキる男”の象徴のような方。

この複雑な世界を生き抜くために、私たちは、何を指針にすればいいのか?「よい人生」とはいったいどういうものなのか?

古代の伝統的なモデルから最新の心理学研究の結果、ストア派をはじめとする哲学や、バリュー投資家の思考まで、膨大な研究結果をひもときながら、「よい人生」を送るための52の思考法を本書で明らかにします。

多くのビジネス書とは異なり、ビジネスパーソンだけでなく、私たち全員に対して人生が上向きになる「具体的なノウハウ」が満載なのが特徴的です。

表紙もおしゃれで、半日あれば読みおわる、読みやすい本となっています。

そもそも「線引き」ってなに?

「線引き」のイメージ図

「線引き」とは、自分の中に、ある「ルール」をつくり、「この場合はNG」「この場合はOK」という明確な基準をつくることです。

明確な基準を持つことで、人生で度々訪れる決断に対して、悩まずに答えを出すことができます。

後ほどご紹介しますが、世界一の投資家ウォーレン・バフェットは価格を下げて再交渉しない、という線引きをしたことで売る側は最高の条件を最初から提示するようになりました。

クリアな線引きをしておくことはあなたに一貫性を持たせ、芯があると思わせ、無駄な時間を減らす効果もあります。

人生をクリアにする5つの線引きとは?

人生をクリアにする5つの線引き

①誓約を立てる

誓約を立てる、とは固い約束をすることです。「絶対的なコミットメント」とも換言できます。

そして、誓約内のことは確実に実行するという線引きを行います。

例えば、著者ドベリの友だちの世界的コンツェルンのCEOは、どんなディナーでも決してデザートには手をつけないそうです。

また、世界でもっとも影響力のある経営思想家のひとり、ハーバード・ビジネススクールの教授、クレイトン・クリステンセンは、「週末に仕事をしないこと」「平日は家族と夕食をともにすること」を誓約し、何があっても誓約を守るために朝の3時に出社することもあったそうです。

Apple社のスティーブ・ジョブズ氏の画像

なぜそこまで頑なになる必要がるのか?、どうして状況に合わせて判断をしないのだろう?と思われると思います。

しかし、そのような「柔軟性」をもつことは「決断疲れ」を引き起こし、判断力を鈍らせてしまうのです。

決断を下すことは思っているよりもしこうのエネルギーを消費するのです。

スティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたのは有名ですよね。

また、誓約はあなたのキャラを立てます。

先ほどもご紹介した、50分の投資相談に5000万円かかると言われている世界一の投資家、ウォーレン・バフェットは「事後交渉は受け付けない主義」。

バフェットに会社を売却したければ、チャンスは一度で、売り主は一度しか売却価格を提示できません。

その提示価格をバフェットが高いと判断しても、売り主が価格を下げて再交渉する余地はないのです。

そうすると、売り主側は最初から最高の条件を提示するようになり、何度も交渉するという時間の無駄が省けるのです。

②能力の輪を意識する

世界を完全に理解している人はいません。

その証拠に、下の記事の13問クイズで多くの人は2問しか正解できません。

そのために、自分がよく知っている「能力の輪」の中だけで勝負するという、線引きを行うことです。

どれほど魅力的なオファーが来ても、それが能力の輪の外なら断るのです。

先ほどの投資家ウォーレン・バフェットも同じようなことを言っています。

人間は、自分の「能力の輪」の内側にあるものはとてもよく理解できる。だが、「輪の外側」にあるものは理解できない、あるいは理解できたとしてもほんの一部だ。

ウォーレン・バフェット

しかし、そのためには自分の能力の輪の境界を明確に分かっておく必要があります。

あの有名な「孫氏の兵法」でも「彼を知り己を知れば百戦危うからず」と自分の能力を知ることの重要性を述べています。

著者ドベリはある大金持ちの企業家から1億2000万円で彼の伝記を書いてくれないかと頼まれたことがあったそうですが、ドベリはその魅力的なオファーを断りました。

なぜならば、小説や実用書を書くドベリにとって、伝記に執筆は「能力の輪」の範囲外だったからです。

書けたとしても、無駄な労力を使うばかりで、せいぜい平凡な本しか書けていなかっただろうと述べています。

では、能力の輪をつくるにはどうしたらいいのか?

それは「時間」と「執着」です。

若かりし頃のビル・ゲイツはプログラムを組むことに長い時間をかけ、執着していました。スティーブ・ジョブズはカリグラフィーとデザインに、ウォーレン・バフェットは12歳のときに初めてもらったおこずかいで株を買い、それ以降ずっと投資中毒になっています。

彼らは、それらに執着して何千時間も費やしたからこそ、その分野のエキスパートになれたのです。

ウォーレン・バフェットの右腕、チャーリー・マンガーもこのように言っています。

何も優秀である必要はない。ほかの人間よりもほんの少し賢くあればいい。ただし、長い長い期間にわたってね

チャーリー・マンガー

③ 体験している私 vs. 思い出している私

あなたがとてもよく知る人物ですが、この名前で会ったことはない2人に人物を紹介しましょう。

「体験している私」と「思い出している私」です。

「体験している私」とは、いまこの瞬間に起きていることを体験している“意識の部分”です。

この記事を読んでいる、コーヒーを飲む、お腹がへる、それらをすべて混ぜ合わせて、瞬間ごとの「体験している私」として認識します。

一方、「思い出している私」とは、「体験している私」が捨てなかったほんのわずかな記憶を集め、評価し、整理する意識の部分です。

私たちは「思い出している私」にばっかり目がいって、「体験している私」をおろそかにしてしまっているというのです。

こんな研究結果があります。

「夏休みに対する学生たちの幸福度は、「夏休みを終えた後」のほうが、「夏休みを過ごしている最中」よりも高い」というものです。

このことは「思い出は美化される」ことと「思い出す力を信用してはいけない」ということを示しています。

他にも、「思い出している私」がいい加減な例として、旅行があります。

あなたは去年行った旅行を思い出してみて下さい。覚えていることは何ですか?旅行は楽しかったですか?

「旅行の中で一番印象深かったことが一番覚えていて、もちろん旅行は楽しかったです。」と答えるのではないでしょうか?

旅行の全部はよく覚えていなくて印象的だったこと(ピーク)しか覚えておらず、たとえ渋滞に巻き込まれていようが、アトラクションに乗るために3時間も4時間も並ぼうがそんなことは忘れ去り、終わりよければすべて良しと同じで、最終的に楽しければ楽しい旅行だったと思う(エンド)ようになります。

この現象は、ノーベル賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンによって「ピーク・エンドの法則」と名付けられました。

現代人は夕日そのおのを楽しむより夕日の写真を撮るように、あんなあいまいな記憶を重視して、いまを楽しむという「体験している私」を軽視する傾向があるのです。

たとえば、あなたは認知症の人に、どうせ何も記憶に残らないからと言ってそんざいに扱いますか?

それは違いますよね。なぜなら、記憶には残らなくても、その瞬間は認知症の人たちも確実に体験しているからです。

もちろん両方大事ですが、もっと「体験している私」にフォーカスした方がいいのです。

④「勝つこと」ではなく「負けないこと」

テニスをしたことはありますか?

アマチュア同士の場合、スーパープレイではなく、ダブルフォルトやショットがネットにかかったり、逆にオーバーだったりと、ポイントのほとんどはどちらかのミスによって入りますよね。

他にも、将棋には「手を渡す」という考えがあります。最善手を指そうとするのではなく、複雑な局面ではできるだけ「無難な手」、「マイナスにならない手」を指して、相手のミスを待つ戦略です。

孫氏の兵法にも「戦わずして人の兵を屈する」と書かれています。戦争はしない方がいい、という考え方で、戦争をしなければ勝てませんが、逆に戦争をしなければ絶対に負けません。

このように、「勝つこと」より「負けないこと」の方があらゆる分野で古今東西、必須だったのです。

投資家コンビはこのように言っています。

私たちは、ビジネスにおける難問の解決策を見つけたわけではない。難問は避けたほうがいいと気づいただけだ

ウォーレン・バフェット

私たちのような人間が、これほど長期にわたって成功をおさめているのは驚くべきことだ。私たちはただ賢くあろうとする代わりに、愚か者になるのを避けているだけなのだが。

チャーリー・マンガー

つまり、良い人生は、究極の幸せを求めた結果として得られるものではなく、馬鹿げたことや愚かな行為を避けることで自ずと手に入るのです。

「何を手に入れたか」で人生の豊かさが決まるのではなく、「何を避けるか」が大事です。

ユーモアのあるチャーリー・マンガーはこのようなこともいっています。

一番知りたいのは私が死ぬ場所だ。そうすれば、その場所を常に避けていられるからね。

チャーリー・マンガー

⑤フォーカシング・イリュージョン

あなたは、凍り付くほど寒いドイツで、うもれるほどの雪や氷とともに過ごすが、太陽さんさん降り注ぎ穏やかな海風が吹く温暖なマイアミビーチに住んでいたとしたら、幸福度はどのくらい違うと思いますか?

そりゃ、温かいマイアミビーチの方がはるかに幸福度が高いと思いますよね?

しかし、実際には両方住んだことのある著者に言わせれば、両方同じだそうです。

結局マイアミビーチに住んでも、車で家を出て、高速で渋滞に遭い、職場では大量のEメールと上司のいつものごたごたに対応すること変わりはないからです。

これは、「フォーカス・イリュージョン」と呼ばれています。

フォーカス・イリュージョンとは、「特定のことについて集中して考えているあいだはそれが人生の重要な要素のようにおもえても、実際にはあなたが思うほど重要なことでもなんでもない」という錯覚を表す言葉。

先ほどの例だと、「寒いドイツ」と「日の光がさんさんと降り注ぐマイアミビーチ」という「気候」についてだけ焦点を合わせ、あたかもその要素ひとつだけがドイツとマイアミに生活満足度を左右すると錯覚してしまったのです。

ですが、その後で一日の流れを想像してみると、「天気はその日全体のほんの一部の要素にすぎない」と分かります。

つまり、特定の要素だけに集中して過大評価せず、十分な距離を置いて比べてみるということが大事になります。

かの大富豪ウォーレン・バフェットも私たちと変わらない既製品の服を着、好きな飲み物はコーラで、ネ1962年からずっとネブラスカ州オハマにあるどこにでもあるようなオフィスで普通の机と椅子とともに仕事をしています。

「大富豪」という特定の要素のみにフォーカスしたために錯覚を起こしたのです。もっと視野を広げて、全体を見渡し評価できるようになりたいですね。









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