Tik Tok は中国系アプリってほんと?!「抖音」ってなに?アメリカで禁止される理由とは?

Tik Tokのイメージ図

10代を中心に、高校生や大学生に大流行している動画系SNS「Tik Tok」

15秒から1分ほどの短い動画を作成/投稿できる、短尺動画プラットフォームです。

しかし、Tik Tokは中国系の企業が開発したアプリであることをご存知でしょうか?

また、最近アメリカがTik Tokを禁止する動きがニュースなどで聞きますよね?

世界的に規制が広がる理由や、中国で使われる本家アプリ「抖音」との違いを説明したいと思います。

Tik Tokは中国系アプリ?

Tik Tokは中国系アプリ?のイメージ図

私たちがよく使っている、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNS系アプリはいずれもアメリカ系の企業が開発したアプリです。

そうした背景や、中国のアプリに慣れ親しんでいないからか、なんとなくTik TokはアメリカのGAFAあたりが作ったのかな?ぐらいのイメージを持っている日本人が多いと思います。

しかし、実はTik Tokは中国の企業が開発したアプリです。

中国のメディア企業である、ByteDance(中国語: 字节跳动、バイトダンス)が開発しました。

バイトダンスってどんな企業?

バイトダンスってどんな企業?のイメージ図

「バイトダンス」というワードを日本人のほとんどが一度も聞いたことがないと思います。

バイトダンスは2012年に設立され、同年8月にリリースしたメディアサービス「今日頭条(ジンリー・トウティアオ)」を主事業とするテクノロジー企業です。

今日頭条とは、AIを活用した先進的なニュースアプリで、中国版Smart Newsとも言われています。

1日のアクティブユーザーが日本の人口とほぼ同じ1.2億人という、今日の中国でもっとも浸透しているニュースアプリのひとつです。

バイトダンスの主な年表は以下のようになります。

  • 2012年5月 Bytedance (HK) Limitedを設立
  • 2012年8月 ニュースアプリ「今日头条(日本語:今日ベッドライン)」をリリース
  • 2015年8月 黄色のロゴが特徴的な、今日頭条の海外版「TopBuzz」をリリース
  • 2016年9月日本でショートビデオアプリ「BuzzVideo」とショートビデオアプリ「抖音(Douyin)」をリリース
  • 2017年5月ショートビデオアプリ「抖音(Douyin)」の海外バージョン「TikTok」をリリース
  • 2020年3月みんなのおススメ情報を配信するソーシャルアプリ「Sharee (シェアリー)」を日本市場向けにリリース

このように次々と革新的なアプリケーションを開発し提供していることがわかると思います。

Shareeは今年の3月にリリースしたばかりで、まだまだ日本での認知度は低い(2020年8月末現在、App Storeのレビュー数は66件)ですが、インスタとブログを合わせたような、写真を用いておススメを発信するSNSです。

そして年表からもわかる通り、Tik Tokは「抖音(Douyin)」をもとに作られました

Tik Tokのロゴの音符のようなマークは、「抖音(Douyin)」の頭文字「d」からきています。

バイトダンスの公式発表によると、2020年1月の中国国内における「抖音」の1日のアクティブユーザーは4億人に達するほどの人気ぶりです。

では、抖音とTik Tokはどのように違うのでしょうか?

本家「抖音」との違いは?

本家「抖音」との違いは?のイメージ図

Tik Tokにとって本家にあたる「抖音」は、ドウイン(Dǒu yīn)と読みます。

抖音とTik Tokはどちらもショートビデオアプリであり、ロゴも同じであればUI(ユーザーインターフェイス)もかなり似ています。

抖音には、以下のTik Tokと同じような基本的な機能が付いています。

  1. フォロー
  2. ハート
  3. コメント
  4. シェア

しかし、その他の機能やユーザーの年齢層、動画の尺の長さ、動画コンテンツの内容など大きく異なります。

ひとことで言えば、抖音はあらゆる機能を備えたショートビデオアプリであり、Tik Tokの拡張版と言えます。

逆に言えば、Tik Tokは15秒から1分の短尺動画のみに特化したアプリと言えます。

比較を行うと、このようになります。

抖音 Tik Tok
利用地域 中国国内のみ 世界中(150以上の国と地域)
尺の長さ 15秒 最大5分 15秒 最大1分
年齢層 20代前半を中心に幅広く 10代後半
コンテンツ 凝った力作 ”盛れる”動画
機能 ・短尺動画
・EC機能
・位置情報&口コミ
・ライブ配信
・短尺動画

利用地域

抖音は、日本からでもVPN接続なしでApple IDや地域を変更すればアプリを使用できますが、基本的に中国国内で使われています。

一方、Tik Tokは2019年12月時点で150以上の国と地域でリリースされています。

尺の長さ

抖音も以前は15秒から1分の短尺動画のみでしたが、より豊富なコンテンツを求めるユーザーの要望から、2019年に5分動画が開通されました。

年齢層

Tik TokはJKを中心とした若者がメインのユーザーですが、抖音は20代前半を中心に様々な世代で幅広く利用されています。

50代のインフルエンサーも珍しくありません

これは、次に説明するコンテンツの違いによるものでしょう。

コンテンツ

Tik Tokは音楽に合わせた楽しそうな”盛れる”動画を投稿する人が多いですが、抖音は凝った力作を投稿し、多くのいいねを狙う人が多いです。

CGを駆使し、映画のワンシーンのように作り込んだショートムービー、歴史や文化、グルメに関する紹介動画、中国の軍隊や安全喚起などのために制作した動画など、実に多種多様な動画が投稿されています。

その中で「いいね」数が上位にある動画の共通点は、しっかりとしたストーリーラインがあることです。

ユーザーの需要をしっかりと汲み取り、動画配信を行うアカウントと動画内に登場するキャラクターに対して世界観の設定を行い、内容に適したBGMを合わせます。

その結果、抖音に投稿される動画の多くが、随所に凝った力作となるのです。

Tik Tokでは考えられないことですが、「四平警事」という中国吉林省四平市の警察署がアカウントを開設しており、2019年12月時点で1553万人のフォロワーがいます。

機能

抖音のもっとも大きな特徴と言えば、ECが埋め込まれていることでしょう。

抖音では、再生中の動画に合わせて、動画内に登場する商品や紹介されている商品などをポップアップする方式で、商品のリンクを動画上に追加することができます。

このリンクを通じて、視聴者はタオバオやドンジンなどの中国国内の大手ECにアクセスすることができ、その場で動画内の商品を購入することができます。

抖音は先に説明したように、しっかりとしたストーリーラインのある動画が多く企業からすれば商品のタイアップが組みやすいため、ECとの相性がいいと言えます。

また、抖音ではInstagramの投稿やストーリーで位置情報を埋め込めるように、動画に位置情報を追加できます。

その位置情報をもとに、レストランやショップを特定し、動画内で紹介されているお店の口コミを掲載することができます。

そして、抖音にはInstagramのようなライブ配信が搭載されています。

電話でずっと喋っている中国人を見かけるように、中国人は社交的でお喋りを好む国民性でありリアルタイムでの交流は需要が高いです。

中国のインフルエンサーによる収益の約70%はライブ配信というデータもあります。

そのため、抖音のライブ配信は人気の機能となっています。

なぜアメリカで禁止されようとしている?

なぜアメリカで禁止されようとしている?のイメージ図

Tik Tokがアメリカで禁止される動きが出てきたのは、ひとことで言えばアメリカ政府がTik Tokが「米国ユーザー情報を抜き取り中国政府に流す、中国のスパイアプリではないか?」と疑っているからです。

実際、2020年8月6日にトランプ大統領は安全保障上の脅威だとして、バイトダンスとの取引を45日後から禁止するとの大統領令に署名しました。

バイトダンスがアメリカにおける事業をアメリカ側に売却しなければ、9月15日に利用を禁止するとしています。

売却する相手としてはマイクロソフトの名が挙がっています。

インドや香港ではすでにTikTokの利用は禁止されており、オーストラリアでも国家安全保障上の脅威があると判断、現在規制を検討中とのことです。

Tik Tokは本当に危険アプリなのか?

パソコンやスマホで文章をコピーする際に使う一時的な置き場のことを「クリップボード」といいますが、TikTokがクリップボードに頻繁にアクセスしていることが有志ユーザーによって確認されたのです。

クリップボードの内容を剽窃していたという証拠はないもの、そのように聞くとスパイアプリのように思えます。

しかし、ユーザーに確認することなくクリップボードにアクセスするアプリは他にもたくさんあるのです。

「ABC News」や「Fox News」、その他各国製のゲームなどが有志によって確認されており、それを考慮するとTikTokだけの問題ではなく、iOSやAndroidなど、OS側の設計にそもそも問題があると考えられます

また、トランプ大統領は「中国政府がTikTokを使って、世界中の機密情報を集めようとしている」とまるで日曜朝の特撮ドラマの筋書きのような発言をしていますが、本気で中国がスパイをするなら、わざわざ中国系のアプリであるTik Tokを利用するでしょうか?

日本や米国に会社を設立するのは容易な時代で、“中国色”を消し去ったSNSを広めることも可能なはずです。

さらに言えば、TikTokで手に入るものといえば、その大半がダンスの動画と、10代少女の個人情報ななので、そんなものが国家戦略上重要なわけがありません。

外国人をスパイするためにTikTokを広めたのだとしたら、効率が悪すぎでしょう。

Tik Tokはなくなるのか?

では果たして、政治の意向でTik Tokを「なくす」ことが可能なのでしょうか?

TikTokを排除できるのは、AppleやGoogleなど、アプリストアを運営する企業です。

これらの企業がTikTokを「ユーザーに害をなすアプリ」だと判断すれば、TikTokのサービスは段階的に利用できなくなります。

しかし、現時点では「TikTokがスパイ行為をしていた」と判断できるまでの証拠はなく、「疑い」だけでリジェクトはできないでしょう

何よりも、“中国製”という理由だけで製品を排除するのは、自由社会の商慣習に反しています。

「TikTokがなくなる」という可能性は低いと考えられます。

なぜ今?

急になぜこのタイミングでトランプ大統領はTik Tokを責め始めたのでしょうか?

一番有力な見方は、大統領選挙に向けたキャンペーンだということです。

トランプ大統領の勝利の方程式は、「仮想敵をつくること」で有名です。

4年前の大統領選では、国内の貧困層に向けて「日本や中国の製品がアメリカの雇用を奪っている」と訴え国民の心を掴みました。

他にも、メキシコからの移民がアメリカ南部の人の職を奪っているとして、壁をつくると主張し農村部の支持をえました。

今回も、「中国はスパイだ」と仮想敵をつくり、国民に「そうだ!中国は敵だ!」と思わせ、中国を排除する政策を打ち出すことで票を集めようとしているのではないでしょうか?

ByteDance -Wikipedia
日本でもTikTokが禁止に?本当に“中華製スパイアプリ”なのか -Yahooニュース
清華大生が見た 最先端社会、中国のリアル -Amazon.co.jp

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