中国人はなぜ声が大きいのか? これを知ればあなたも納得!決定的な3つの要因を考察してみた

中国のイメージ

中国の観光客を街中で見かけるようになって、誰もが一度は薄々と思っている疑問

なんで中国人はあんなに声が大きいの??!

たしかに日本人の声が小さすぎるのかも知れませんが、それにしても中国人は人気のあるところで堂々と話していますよね?

実は、それにはかなりはっきりとした理由がありました。

大きく、言語的・文化的・環境的の3つの要因に分けて考察していきたいと思います。

それを知れば、中国人の声が大きい理由に納得がいきますし、今度大きな声で喋っている中国人を見かけても、寛容な気持ちで受け入れられるかも知れません!

言語的要因

中国人の声が大きい、言語的な理由

人間は使う言語の特性に必ず影響を受けます。

なぜならば、使う言語で「思考」を展開するからです。

あなたはふだん考え事をするとき、当たり前ですが日本語で考えますよね。

それは、日本語の性質の範囲内でしか物事を考えられないことを意味します。

そのため英語がとても得意な友人は、ディベートと言った論理性が重視される場では、曖昧性を持つ日本語ではなく論理的な英語で考えるようにしていると言っていました。

この友人は思考が言語に縛られることをよく理解しています。

そのように、中国語という言語を使う中国人は、思考に限らず声の出し方や声量など中国語の特性の影響から逃れられません。

では、具体的に中国語の特性を3つに分けて考察していきたいと思います。

四声

中国語にはご存知の方も多いと思いますが、四声を使い分けて発音する言語ですよね。

それは、中国語は漢字のみを使いひらがなやカタカタがなく、さらに「て・に・を・わ」の助詞の概念がないなど、漢字だけでは表現能力が低いためです。

そのため、同じ発音でも発音の仕方を変えることで漢字を区別しています。

有名なものとして、「妈(ママ)麻(麻布)马(馬)骂(罵る)」はすべて「マ」と発音します。

つまり、弱く「マ」と発音しただけでは相手に『どの「マ」よ!』となり、意味が伝わらないわけですね。

そのため、声調をしっかり表現する必要があり、声が大きくなると思われます。

また、声調はその発音の後半に大きく変化するため、最後まで強く発音する必要があります。

母音

中国語のピンインの多くは母音が含まれており、母音の発音を強調する傾向があります。

一方、日本語や英語はそこまで母音に重きを置かない言語です。

例えば、英語の「Jack」。

日本語でも「ジャック」と後半は子音だけで発音し、「ック」の部分はどんだけ叫んでも長く発音できませんよね。

しかし、これが中国語になると「杰克(jiékè)」となり「ジエクゥゥゥーーーーー」となり、どんだけでも永遠に発音できるのです。

このような母音をしっかり発音する言語であることも要因のひとつと考えられます。

有気音

「有気音」と「無気音」をご存知ですか?

「有気音」とは発音するときに大量の呼気を出しながら発声する音声であり、「無気音」とは呼気を強く出さずに発音する音声のことです。

もう少しわかりやすく言うと、口の前にティッシュペーパーを置いて発音した時、ティッシュペーパーが吹き飛ぶのが「有気音」、ほとんど動かないのが「無気音」です。

日本語は基本的に「無気音」であり、場合によっては「有気音」になっていますが、どちらでも意味は変わりません。

例えば、呆れながら「ったく……」と言うときの「タ」の発音や、勢いよく「パァ〜っといこうぜ!」というときの「パ」の発音は有気音になっています。

このように、感情を込めると日本語は有気音になりますが、意味は変わらないですよね。

また、英語も [ p ] [ t ] [ k ](無声破裂音)につづく母音にアクセントがある場合、「有気音」になります。

例えば、「people」に [ p ](無声破裂音)が2つありますが、1つ目の [ p ] の後ろの母音 [ e ]にアクセントがあるため、1つ目の [ p ] だけ「有気音」になります。

しかし、日本語と同様、意味に変わりはないですよね。

中国語の有気音
子音「p、t、k、q、ch、c」
中国語の無気音
子音「b、d、g、j、zh、z」

一方、中国語は「有気音」と「無気音」で意味が変わります

そのため、それらを明確にわける言語なのです。

日本人にとっては清音と濁音の違いに見えますが、息の出し方が違うだけです。

例えば、有気音の [ p ] は息を破裂させて発音しますが、無気音の [ b ] は息を抑えながら口の中で音を響かせて発音するため、日本語にように「ポ」と発音すると無気音の [ b ] と捉えられかねませんし、そもそも無気音の [ p ] がないため発音としてまちがっています。

つまり、中国人は有気音の子音を使うときは必ず息を破裂させて発音するので、言い方が強く、声の大きさが大きく聞こえてしまうのです。

文化的要因

中国人の声が大きい、文化的な理由

次に考えられるのが、文化的な価値観の違いによるものです。

小さい頃から影響をずっと受けつづけるその国の文化の影響は根強いはずです。

例えば、「国民性」というワード。

場所も離れていてまったく知らない人同士なのに、同じ国に所属しているというだけで同じ「国民性」を持つのは不思議ではないでしょうか?

これは、その国の文化を親や義務教育、ニュースなどから知らず知らずのうちに染み付くからでしょう。

文化の影響も大きそうですね。

それでは日本とまったく違う中国の文化を考察します。

教育

日本では、多くの人が両親から「他人に迷惑を掛けるな」という価値観を教わります。

「和」という言葉が日本を象徴するように、日本人は周りとの協調性を大切にします。

一方、中国では「他人からバカにされるな」と両親から教わります。

それは、中国の人口の多さから来る「超学歴社会」が要因のひとつでしょう。

中国人の人口はおよそ14 億人 (2018) で世界1位ですが、それに比例して待遇の良い職種が増えるわけではなく、一部の超エリートが成功する社会構造であり、そこでは学歴が非常に重視されます。

中国の大学入試は、「普通高等学校招生全国统一考试」と呼ばれ、略して「高考(ガオカオ)」があります。

中国全土で一斉に行われ、日本でいうセンター入試に近いものですが、日本のように大学ごとの個別試験はなく、この1回の試験のみです。

つまり、たとえ高校3年間で、ずば抜けて成績が優秀でも、このたった1回の高孝でミスをすれば、人生が台無しになる可能性もあるのです。

そのため、中国の高校生たちは、この1回の試験のために毎日必死で勉強しています。

中卒や高卒で高収入で安定した仕事を見つけようとするなんて、中国では無理な話だそうです。

このような超学歴社会構造が、「競争に勝て」というマインドになり、「和」ではなく「他人からバカにされるな」という教育方針になったのでしょう。

「他人からバカにされるな」というのは、つまり「自身のメンツを保て」と表裏の関係であり、それが染み付いている中国人は会話する中で、周りの「他人のメンツを潰してはいけない」ことに無意識に注意を払います。

この「他人のメンツを潰してはいけない」というマインドから導かれたのが、「大きな声で堂々と話す」です。

つまり、声を大きくして話すことで「あなたの陰口をひそひそ言っている訳ではないですよ」、「バカにしているわけじゃないですよ」という潜在的なアピールになるのです。

逆に「声が小さい=ひそひそ話」という方程式が中国では成り立ちます。

これが、教育方針の違いから考えられる声の大きさの違いの理由です。

少し長くなったのでまとめると、このような仮説です。

14億人の超人口超学歴社会「競争に勝て」「他人からバカにされるな」「自身のメンツを保て」「他人のメンツを潰してはいけない」「大きな声で堂々と話す」

「賑やかさ=縁起がいい」とされる文化

中国では春節を盛大に祝ったり、めでたい日は爆竹をならしまくるといった「大人数でワイワイ」するのが好きな風土があり、賑やかなほうが縁起がいいという文化があります。

つまり、日本のように「騒がしい=他人に迷惑をかける」といったネガティブな感情が薄いのですね。

このように賑やかにすることに躊躇いのない風土が、中国人の声を大きくするのでしょう。

環境的要因

中国人の声が大きい、環境的な理由

最後に環境的要因ですが、これが一番大きい要因ではないでしょうか?

多くの中国人は大きな騒音の中で生きており、聴力が低下しているデータがあるのです。

騒音

中国に行ったことがある人はわかると思いますが、街中の騒音がすごいですよね。

中国は工事、交通、人口の量が凄まじいので、騒音の大きさがとても日本の比ではありません。

つまり騒音が大きいので、相手に聞こえるようにその分、声が大きくなったと言うことです。

小さい頃からずっとそういう環境で生きているので、自然と大きな声になるでしょう。

難聴

さらに、中国人は難聴の傾向があるというデータがあります。

2014〜15年に行われた調査では、中国では成人の16%が何らかの聴力に支障をきたしている事実が明らかになりました。

更に、2017年にWHOとドイツのMimi Hearing Technologies社が20万人に対して実施した「世界中の50都市の聴力調査」では、中国の広州がインドのデリーを抑えて最下位を記録。

住民の平均聴力は実年齢よりも17歳以上悪いという結果となりました。

北京もビリから5番目の34位、上海も39位を記録しました。

一方、スイスのチューリヒ(Zurich)、オーストリアのウィーン(Vienna)、ノルウェーのオスロ(Oslo)、ドイツのミュンヘン(Munich)など、騒音公害が少ない都市は聴力低下の少ない一群でした。

騒音公害と聴力低下の関係を表すグラフ
photo credit:Mimi

そのような騒音公害と聴力低下の関係をグラフにしたものが上図になります。

見事な比例関係が見られますね。

騒音が聴力の低下に一定の悪影響を及ぼすと言えそうです。

つまり耳が悪い人が多いので、中国人は余計に大きな声で喋るようになったのでしょう。

まとめ

大きく言語的、文化的、環境的要因の3つに分けて分析してみましたが、いかがでしたでしょうか。

中国語がしっかり発音する言語であること、人口の多さに起因する競争社会から来るマインドの違い、騒音の大きさやそれによる聴力低下が中国人の声を大きくすると考えられます。

このような背景を学べば、中国人が日本人にとってうるさいと感じることも当然と言えないでしょうか?

言語・文化・環境が全く違うのですから。

あんなに近い中国という国がこんなにも日本と違うことは非常に興味深いと私は思います。

ちなみに、誤解があるといけないので明記しておくと、別に中国人全員が声が大きいわけではないようです。

特にインターネットやSNSなどの影響を強く受ける最近の中国の若者の喋り声はそんなに大きくないそうです。

親世代やおじいちゃん、おばあちゃん世代の声量が特に大きいと言われています。

子供が声の大きい親を注意する場面もあるとか。

「爆買い」が収まってきた中国人が、経済成長に合わせて今後どのように振る舞いを変化させていくの楽しみですね。

中国人はどうして声が大きいの?理由を探ってみた!【中国人による考察】-Youtube
中国語の有気音|苦手な発音もコツさえ抑えれば簡単!
有気音・無気音とは? 英語にも有気音があるの?
These are the cities with the worst noise pollution
Mimi World Hearing Map 2020
超学歴社会の中国から脱出!日本留学で「健康」と「なりたい自分」を手に入れた僕が日本人に…









Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です